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運送業の同一労働同一賃金対策|対応漏れのリスクとは

「2024年問題の対応で手一杯なのに、同一労働同一賃金まで手が回らない」「非正規ドライバーとの待遇差、どこまでが許容範囲なのか」──労働時間規制から1年以上が経過した今も、多くの運送会社がこうした不安を抱えたまま、制度改革を先送りにしています。

しかし2025年8月現在、運送業界を取り巻く環境は急速に変化しています。労働時間減少で収入が減った非正規ドライバーの不満は限界に近づき、大手が待遇改善を完了する中で、「同一労働同一賃金への対応不足」が人材流出の決定的な要因になりつつあります。

本記事では、2024年問題と同一労働同一賃金という「二重の課題」に直面する運送業界の実情を踏まえ、コストを抑えリスク回避を実現する実践的アプローチを解説。限られた経営資源の中でも実行可能な対策と、放置した場合の具体的リスクを、専門コンサルタントの知見を交えて明確にします。

目次

同一労働同一賃金問題が危機的状況になっている?

収入が減少した非正規ドライバーにとって、正社員との待遇格差はもはや我慢の限界です。大手が待遇改善を完了する中、対応の遅れは致命的な人材流出を招きます。今、運送業界が直面している実態を解説します。

労働時間減で収入減少、非正規ドライバーの不満が爆発寸前

2024年4月の労働時間規制から1年以上が経過し、運送業界では新たな危機が顕在化しています。トラック運送業界の多くのドライバーが労働時間の減少を実感しており、時間給で働く非正規ドライバーの収入に直接的な影響が出ています。

そこに正社員との待遇格差が重なり、「同じ仕事なのに、なぜこれだけ差があるのか」という不満が出ているのが現状です。大手が待遇改善を完了する中、転職を決断するドライバーが増加傾向にあります。

日本郵便訴訟から5年
「裁判で負ける企業」が増えている

2020年の日本郵便訴訟では、手当や福利厚生(扶養手当や年末年始勤務手当)の格差が「不合理」とされ、企業側が敗訴。現在、同様の問題を抱える運送会社が全国に多数存在し、訴訟や是正勧告が現実味を帯びています。

すでにある中小企業では、2年分の待遇差をさかのぼって支払う形で、数千万円規模の支出が発生。「他人事」では済まされない状況です。

大手の待遇改善完了で
中小の採用は「絶望的」状況に

ヤマト運輸、佐川急便など大手は、2023年末までに同一労働同一賃金対応を完了済み。正社員化や待遇統一によって、求職者の人気は大手に集中しています。

一方、対応が遅れている中小企業では、「応募ゼロ」「内定辞退率80%」といった声も多い状況。高齢ドライバーの引退が本格化する2025年に向け、採用力の格差が“事業継続の格差”に直結しています。

なぜ今、待遇差が致命的な問題になるのか

「2024年問題で手一杯」「昔からこうだった」──そんな理由で先送りされてきた待遇格差の問題。しかし2025年の今、この「説明できない差」は、労基署の重点監督項目となり、ドライバーの大量離職の引き金になっています。問題の根本原因と、なぜ「今」対応が必要なのかを明らかにします。

「2024年問題対応で精一杯」という
言い訳が通用しない現実

多くの運送会社が「2024年問題の対応で手一杯だった」として、同一労働同一賃金を後回しにしてきました。しかし、労働時間上限や拘束時間の強化により収入が伸びにくい環境で、正社員との待遇差は我慢の限界に。結果として、「時間は制限されるのに処遇差は放置」という二重の不満が離職・流出を招きやすい状況です。

2024年上限規制と改善基準告示の強化は既に施行済みで、放置は人材確保の面で致命傷になり得ます。

「正社員だから」で差をつける
時代は終わった

かつては「正社員だから」「契約社員だから」といった雇用区分だけで、手当や賞与に差をつけることが慣例でした。しかし現在では、それだけでは通用しません。

厚生労働省のガイドラインでは、待遇差の説明には「職務内容」「責任の程度」「配置転換の範囲」など、具体的で客観的な根拠が必要とされています。将来的な役割の期待や在籍年数といった主観的な理由は、差の理由として認められません。

制度上の根拠が曖昧なまま運用されていると、是正勧告・損害賠償・信用低下といった経営リスクを招きます。2025年現在、この点は労基署の重点監督項目にもなっており、今なお放置されている制度は“危険水域”にあると言えるでしょう。

全部一気には不要!小さく始めることが重要です。

しかし「すぐに全面的な待遇統一は難しい」というのが多くの中小運送会社の本音でしょう。では、どうすれば限られた予算の中でもリスクを最小化しつつ現場の不満を抑えられるのか。ここからは、現実的に取り組める段階的アプローチを解説します。

まず守るべき「最低限のライン」を明確化

訴訟リスクが高い項目(扶養手当、通勤手当など)から優先順位をつけて改善することが現実的です。厚労省のガイドラインを基準に「ここだけは守る」という最低限のラインを明確化することで、最小コストで最大のリスク回避が可能になります。

「説明できる差」への転換で離職を防ぐ

完全な待遇統一ではなく、「なぜ差があるのか」を説明できる制度に転換することが重要です。例えば、配送エリアの違い、車両サイズ、顧客対応の有無など、業務内容に基づいた合理的な差を設定すれば、非正規ドライバーも納得しやすく、離職防止につながります。

労基署対応を想定した「守りの文書化」

労基署の監督は厳格化しており、「説明資料がない」だけで是正勧告を受けるリスクがあります。待遇差の合理性を示す文書(職務分析表、責任範囲一覧、手当基準など)を整備することが重要です。

従業員の理解を得る「対話型」の制度移行

一方的な制度変更は不満を増幅させます。特に2024年問題で疲弊している現場には慎重なアプローチが必要です。説明会や質疑応答の場を設け、「公平性を保つための改革」であることを誠実に伝えることで、従業員の理解と協力を得られます。

貴社は大丈夫?運送業で待遇差が問題になりやすい手当チェックリスト

過去の判例から、特に運送業で「不合理な待遇差」と判断されやすい手当をリストアップしました。貴社の給与規定と照らし合わせてご確認ください。

ただし、これらを自社だけで
実行するのは容易ではありません

「どこから手を付けるべきか」「どのように説明すれば納得を得られるのか」など、判断を誤ればかえってリスクを高めかねません。 そこで重要になるのが、業界知見を持つ専門コンサルタントの存在です。専門家の支援を受けることで、最小のコストで最大限のリスク回避を実現し、従業員に納得感のある制度移行を進めることができます。

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格差を測る明確な物差しがないからこそ、賃金制度の改革は非常に難しい──それが、私たちが現場で日々感じている実情です。 職種ごとに責任の重さや業務の幅、拘束時間が違うのは明らかでも、その違いを“数値化して制度に落とし込む”ための絶対的な基準は存在しません。

ですが一方で、経営者や管理者の方に「あるべき月収差はどのくらいか」と伺うと、多くの方が具体的な感覚を持っておられます。“格差の感覚”はあるのに、それを制度として構築する手段がない。このギャップこそが、運送業における制度整備の難しさの本質だと感じています。

会社名 株式会社ビジネスリンク
所在地 豊橋オフィス:愛知県豊橋市広小路3-45-2 豊橋第一生命ビルディング3F
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まとめ

同一労働同一賃金は、対応しなければ“リスク”になり、整備すれば “採用力と定着率の強化” に変わる重要なテーマです。正社員と非正規社員の間に不透明な待遇差があると、非正規社員の不満や意欲低下につながり、離職による慢性的な人材不足に発展するだけでなく、世間からの評価も低下することになります。

待遇の見直しは単なるコストではなく、信頼・公平・透明性ある組織運営の基盤です。複雑な制度設計や説明責任には、運送業に特化したコンサルタントの支援を活用しましょう。

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運送業コンサル会社を選ぶ際には、自社の実態や課題を整理、明確化して、該当する領域の支援に強みや実績があることがポイント。ここでは、給与体系、ドライバー採用、荷主交渉に強みがある運送業コンサル会社3選を紹介します。

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